研究概要 |
1、 本研究の目的の一つである「非コンパクト型対称空間の等質超曲面の分類」に関しては,様々な結果を得ることが出来た.特に対称空間の階数が1の場合に得られた進展は極めて大きいと思われる.その成果に関しては,日本数学会秋季総合分科会に於いて,特別講演という形で発表した.現在その論文の完成を目指しているところである.また,平行して,階数が高い対称空間の等質超曲面に関する研究も行い,いくつかの興味深い例を構成することが出来た.我々の例は,ある統一的な手法によって構成されており,その帰結として「階数が高い場合には超曲面の全体の構造は極めて複雑である」ことが示唆される. 2、 また可解多様体に関する研究も行い,前年度までに得られていた結果を拡張することが出来た.この結果は,新たな非コンパクト等質Einstein多様体の構成である.Einstein可解多様体にはある種の代数的な不変量が定義されるが,我々の例は,その不変量の形が今までに知られていたものとは極めて異なっている.この成果については,プラハで行われた国際研究会で発表を行い,その研究会の報告集に於いて発表される予定である.
|