本年度は、研究課題の2つの話題のうちの1つ「4次元球面内の曲面について」の研究を今後より発展させていくために、概エルミート幾何に関する研究を積極的に進め、その過程において以下の成果を上げることができた。 研究代表者は以前、村越、関川(新潟大)との共同研究で、四元数的概エルミート多様体の積分可能性に関する研究(Hitchinの定理「四元数的概ケーラー多様体は、四元数的ケーラー多様体(ハイパーケーラー多様体)である。」の一般化に関する研究)を行い、次を二つの結果を得た。 (1)四元数的quasiケーラー多様体は、四元数的ケーラー多様体である。 (2)4m(m≧2)次元四元数的一般局所共形的概ケーラー多様体は、四元数的ケーラー多様体である。 しかし、その後Reviewerにより、二番目の結果については、その主張が強すぎることが指摘された。研究代表者は、関川と共同でこれの修正に取り組み、次のように主張を改めることができた。 (2)'4m(m≧2)次元四元数的一般局所共形的概ケーラー多様体は、局所共形的四元数的ケーラー多様体である。 また、研究代表者は、概エルミート幾何に関する話題についてProceedingsに発表を行った。
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