研究概要 |
今年度は、特に48次元の自己双対符号、ユニモジュラー格子、自己直交デザインの研究を行なった。 1.ユニモジュラー格子と自己双対符号: 48次元に着目してユニモジュラー格子と2元自己双対符号の研究を行なった。特にシャドウおよびネーバーという2つの重要な概念を通しての研究を中心的に行なった。例えば、長さ48の極値的重偶自己双対符号が唯一つ存在がするという最近の結果を用いて、シャドウの最小重さが4である極値的自己双対符号の分類を行なった。この研究は昨年度から引き続き行なっていたもので、今年度、研究が完了して論文を完成させている。 2.自己直交デザインと自己双対符号: 擬対称デザインを含むクラスである自己直交デザインと自己双対符号についての研究も行なった。この研究は1980年代にV.D.Tonchevが中心に行なっていた研究の拡張になっている。特に、自己直交5-(48,12,4)デザインとその導来デザインと剰余デザインの幾つかについて、長さ48の極値的重偶自己双対符号に埋めこめることを示し、その符号の唯一性を用いて、これらのデザインが唯一つ存在する二とを示すことが出来た。この結果は、論文を作成して審査の為に投稿中である。 3.長さ72の極値的重偶自己双対符号: 長さ72の極値的重偶自己双対符号は未だに存在性が決定されていない符号理論における非常に有名な問題であるが、ここでは、自己直交5-(72,16,78)デザインが存在すればそのデザインが長さ72の極値的重偶自己双対符号を生成することを示すことが出来た。今度の研究に繋がる結果だと思われる。
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