研究概要 |
1.中国の大連理工大学における国際会議ISACC'2000のプロシーディング『Analysis, Combinatorics and Computing』が出版され、その中に論文「Generalization of the Bernstein operator」が掲載された。 2.代用電荷法は、一種の「radial basis function」による関数近似法と見なすことができる。そして、代用電荷法における電荷点配置問題が、関数1/(z-c)に対するLagrange補間多項式の零点分布と関連があるように思えるため、これについて詳しく研究した。まだ研究の途上ではあるが、標本点が楕円上に等間隔に配置されている場合については顕著な結果を導くことができたので、それを中心として論文「関数1/(z-c)のLagrange補間多項式の零点に関する一考察」を執筆し、日本応用数理学会論文誌に投稿した。(現在、査読結果を待っている最中である。) 3.Bernstein作用素は代数多項式で表現され、形状保存性を持つ線形近似作用素の中で(ある意味で)最良であることが知られている。そこで、この代数多項式に関する結果に対し、三角多項式で表現される正線形近似作用素に関しても、何らかの最適化問題を考察することができるだろうという着想を得た。そして実際、その最適化問題を定式化した上で、いわゆる「Fejer-Korovkin作用素」が最良であるという結果を導くことができた。この結果について、Fourier級数・Fourier積分・離散Fourier変換との関連や物理的意味等をもう少し調べた上で、Journal of Approximation Theoryのような専門誌に投稿する計画である。
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