研究概要 |
以下Gはループや多重辺のない有限無向単純グラフとする.deg_G(x)はGの点xの次数を表し,N_G(x)はGの点xに隣接する点の集合を表す.また,d(x,y)で2点xとyの距離を表す.すべての頂点の次数がkの全域部分グラフをk-因子という.ハミルトンサイクルは2-因子である. ハミルトンサイクルについて次の結果がある. 定理A グラフGを位数|G|【greater than or equal】3の2-連結グラフとする.このとき,Gが d(x,y)=2⇒max{deg_G(x),deg_G(y)}|【greater than or equal】|G|/2 をみたせば,Gはハミルトンサイクルをもつ. k-因子の存在に関しては定理Aと同様の次の結果がある. 定理B kを1以上の整数,グラフGを位数|G|【greater than or equal】8k^2+12k+6の連結グラフとする.k|G|は偶数,Gの最小次数はk以上とする.このとき,Gが d(x,y)=2⇒max{deg_G(x),deg_G(y)}【greater than or equal】|G|/2 をみたせば,Gはk-因子をもつ. 今回,定理Bにおける「max{deg_G(x),deg_G(y)}」を「|N_G(x)∪N_G(y)|」におきかえた次の結果が得られた. 定理1 kを2以上の整数,グラフGを位数|G|【greater than or equal】8k^2+20k-20の連結グラフとする.k|G|は偶数,Gの最小次数はk以上とする.このとき,Gが d(x,y)=2⇒|N_G(x)∪N_G(y)|【greater than or equal】|G|/2 をみたせば,いくつかの例外を除いてGはk-因子をもつ.
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