磁場のある離散ラプラシアンのスペクトル解析 研究代表者は、前年度、ディラック作用素の解析手法を応用することにより、graph、sub-division graph、line graph上の離散ラプラシアン間の作用素恒等式を導いたが、本年度は磁場のあるシュレーディンガー作用素の離散版においても同様の結果を得ることができた。この結果は現在投稿中である。 強い特異性のある磁場のディラック作用素の自己共役拡張 Aharonov-Bohmの磁場のような強い特異性がある場合のディラック作用素は自己共役でなく、意味のある物理モデルを定義するためにはその自己共役拡張を構成しなければならない。一般論として自己共役でない対称作用素の自己共役拡張は、2つの不足指数が等しい時その時に限り自己共役拡張を持ち、それらの自己共役拡張は不足指数をmとするとm次元ユニタリ行列群U(m)でパラメータ付けされることが知られている。研究代表者は、超対称量子力学の超生成子としてのディラック作用素の自己共役拡張がU(m)全体をとれないこと、またU(m)内でどのような構造をとれるかを調べた。現在、投稿用の論文を執筆中である。
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