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2003 年度 実績報告書

開複素等質多様体上の積分幾何と特異な無限次元表現の実現

研究課題

研究課題/領域番号 14740117
研究機関東京大学

研究代表者

関口 英子  東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50281134)

キーワードペンローズ変換 / 半単純リー群 / ユニタリ表現 / 有界対称領域 / 複素多様体 / 積分幾何 / 概均質ベクトル空間 / 超幾何函数
研究概要

当該研究は開複素等質多様体上の積分幾何と特異な無限次元表現の実現をテーマとし,半単純リー群の特異ユニタリ表現論を援用してツイスター理論の高次元化を解明することを目的とする.
このために,簡約リー群G_Cの一般化された旗多様体G_C/P(PはG_Cの放物型部分群)上に,G_Cの実形Gの作用を考える.このときG-軌道は有限個であることが知られており(青本,Wolf,松木),特に開軌道が存在する.この開軌道Dを一つ選び,その上のG-同変な正則直線束L→Dを一つ定めると,Gは大域切断のなす空間Γ(D,L)や高次コホモロジー群H^*(D,L)に線型に作用し表現を定める.Gがコンパクトの場合は得られた表現はBorel-Weil-Bottの定理による有限次元表現に他ならない.Gがコンパクトでない場合は,一般にH^*(D,L)は0か無限次元になる.
今年度はG_C=SP(n,C),G=Sp(n,R)とし,様々な放物型部分群Pに対しある特定の開軌道Dを選び,その上で次の積分幾何の問題を研究した.
(イ)Dの中で極大なコンパクト複素部分多様体の族を群論的に定義する.
(ロ)(コホモロジーの引き戻し)部分多様体の族が与えられているとき,コホモロジーの元を各部分多様体に引き戻すことができる.
このステップにより,部分多様体の族をパラメトライズする多様体(実は有界対称領域になる)上の函数が得られた.さらにSerreの双対定理を援用して,この対応を部分多様体上の積分を用いて表せ,高次元の場合の「Penrose変換」を非コンペクト等質複素多様体上のドルボーコホモロジーの空間に定義することができる.このとき,A型の場合と異なり,C型のPenrose変換は単射ではないことを発見した.従来および最近,Radon-Penrose変換が単射になる十分条件を求める研究(Mantini,谷崎-Marastoni, Huckleberry-Wolf)が行われているが,自然な設定でPenrose変換が単射にならない例を発見したことに意義があると考え,その核の構造を表現論的手法(制限の分岐則)により,より詳しく調べた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Sekiguchi: "The Penrose transform for Sp(n,R) and singular unitary representations"Journal of the Mathematical Society of Japan. 54. 216-253 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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