研究概要 |
平成14年度の研究実施計画に基づき,パンルヴェ系についての研究及び超幾何系についての研究を平行して行った.パンルヴェ系については,まず「M. Jimbo and T. Miwa, Monodromy preserving deformation of linear ordinary differential equations with rational coefficients, II. preprint, RIMS 327, Kyoto Univ., (1980)」等に関連する論文を神戸大学,東京大学の図書館に実際に行き,内容を調査した上で入手した.これらの論文の精読を通してモノドロミー保存変形とτ関数による定義空間の構成に関連する研究に結びつく重要な計算方法を身につけた.補足として,神戸大学の図書館でパンルヴェ全集を閲覧し,全集に含まれている古典的なストックホルム講究録の読解にも努めた.現在まで序文,第1講,第2講までの内容について研究した. 超幾何系については,多変数合流型超幾何微分方程式の級数解について計算をした結果,2変数の範囲である程度の結果を得た.現在3変数以上の級数解について研究している.これらについては,ある程度まとまった段階で発表する予定である. また平成14年8月には関数方程式論サマーセミナーの幹事をつとめ,日本国内および海外の研究者を招聰し,研究集会も主催した.活発な議論を通して,パンルヴェ系,超幾何微分方程式等に関する研究打ち合わせおよび研究連絡を行い,最新の研究情勢に理解を深めた.
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