本研究では銀河形式初期における、銀河の力学・化学・光学進化の大規模流体シミュレーションを行っている。このような解析を行うためには、超新星爆発による銀河ガスへのフィードバック効果を正確に調べる必要があり、超新星残骸スケールから銀河間空間スケールまでを分解するための充分な計算分解能を要求される。本研究では、大規模3次元流体力学シミュレーションにより、通常の楕円銀河及び矮小銀河の形成の高精度解析を行なった。原始銀河中で形成した大質量星が超新星爆発をはじめるとその周辺のガスには衝撃波が発生し、高密度の殻と低密度のボイドが形成され、時間の経過と共に、それらのボイドが衝突、結合し銀河ガスは非常に複雑な構造を呈するようになる。衝突したガス殻は高密度となり、輝線放射による放射冷却により、急激に温度が下がる。また、ボイド領域では超新星爆発によって放出された重元素を多量に含む温度が10^7K以上の高温ガスが存在するようになる。今後このような銀河形成初期の多重超新星爆発の効果による質量放出機構の力学過程や銀河ガスの非一様重元素汚染過程について調べるために、高精度シミュレーションを行う並列計算機を構築した、Petium4 2.4GHzのCPUのPCを8台ネットクール結合し、その上で走る並列流体コードを完成させた。来年度はこのシステムを使って、より高精度の銀河形成シミュレーションを行う。
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