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2003 年度 実績報告書

銀河・銀河団の多波長データに基づいた遠方宇宙の探究

研究課題

研究課題/領域番号 14740133
研究機関東邦大学

研究代表者

北山 哲  東邦大学, 理学部, 講師 (00339201)

キーワード宇宙論 / 銀河 / 銀河団 / X線 / 電波 / 赤外線
研究概要

現在観測されている銀河のうち、最も遠方に存在することが確定しているものは、約128億光年の距離に位置するが、理論的にはそれよりはるか遠方まで原始銀河が存在することが予想されている。そこで、このような極遠方に存在する原始銀河を直接検出し、銀河形成の理論を検証するための具体的な方法を考察した。その結果、原始銀河中のガスが熱エネルギーを散逸する際に放射される水素分子輝線、水素原子のライマンアルファ輝線などを観測対象とすることで、130億光年以上の距離に存在する原始銀河が、将来の赤外線衛星によって検出可能であることが明らかになった。
また、銀河団の力学的・熱的な進化の過程を、モンテカルロシミュレーションによって再現するための研究も進めた。その結果、X線観測で得られている銀河団の光度と温度の相関関係からは、従来考えられていたよりもはるかに強い加熱を銀河団ガスが過去に受けていた可能性が高いことが明らかになった。このような過剰な加熱を引き起こす要因としては、電波銀河から噴出すジェットや、原始銀河中に誕生した大質量星による超新星爆発などが有力候補であると考えられる。
さらに、電波領域における銀河団観測も継続して行った。特に今年度は、これまでに電波領域で得られたデータと、最新のX線データを組み合わせた解析を、全天で最もX線光度の大きな銀河団RX J1347-1145に対して実行した。これは、ミリ波、サブミリ波、X線の各波長帯における従来最高の空間分解能を持つデータを統合した画期的な試みである。その結果、銀河団の密度・温度構造について数々の情報を引き出し、将来の銀河団研究の方向性を具体的に提示することに成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 北山哲, 他: "Exploring Cluster Physics with High-Resolution Sunyaev-Zel'dovich Effect Images and X-Ray Data"Publications of the Astronomical Society of Japan. 56. 17-28 (2004)

  • [文献書誌] 清水守, 北山哲, 佐々木伸, 須藤靖: "Monte-Carlo Modeling of Non-Gravitational Heating Processes in Galaxy Clusters"Publications of the Astronomical Society of Japan. 56. 1-16 (2004)

  • [文献書誌] 大向一行, 北山哲: "Observing H_2 Emission in Forming Galaxies"The Astrophysical Journal. 599. 738-745 (2003)

  • [文献書誌] 清水守, 北山哲, 佐々木伸, 須藤靖: "Mass-Temperature Relation of Galaxy Clusters : Implications from the Observed Luminosity-Temperature Relation and X-Ray Temperature Function"The Astrophysical Journal. 590. 197-206 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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