11Li核は、9Liコアのまわりに過剰な2中性子がハロー構造を持つ原子核として注目されている。このようなハロー構造の形成には、過剰2中性子間のペアリング相関が重要であることが指摘されている。低エネルギー領域の励起状態としては、基底状態のペアリング状態のパートナーとして、3体共鳴状態が考えられる。複素座標スケーリング法を適用することにより、9Li+n+nの3体共鳴状態として、初めて予言した。また、基底状態の束縛機構の理解には、過剰中性子間の相関だけではなく、9Liコアのペアリング励起が重要であることを始めて指摘した。 10He核は、11Li核よりコア核の陽子がひとつ少ない原子核であり、中性子数は同じである。この原子核の定量的な理解が、11Liの中性子の励起機構の理解に重要であることを指摘し、アナロジーをもとに分析した。その結果、これまで実験で見つかっていない状態が理論的には、予言可能であることを示した。この状態の分析には、結合定数解析接続法(ACCC)を用いたが、従来用いられてきた共鳴状態を解くための複素座標スケーリング法では解析条件のためにもとめることが出来ないので、ACCCの有用性を示した。
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