研究概要 |
太陽より重い主系列星等では、CNOサイクルと呼ばれる水素燃焼反応が主なエネルギー源であることが知られている。星が進化し、温度・密度が高くなるとCNOサイクルから水素の爆発的元素合成過程(rpプロセス)に移行する。高密度領域で移行する反応には、^<15>N(p,γ)^<16>O(p,γ)^<17>F(p,γ)^<18>Ne(2p,γ)^<20>Mg→^<20>Naが考えられるが、反応率を決める^<18>Ne(2p,γ)^<20>Mg反応断面積は知られていない。本研究では^<18>Ne(2p,γ)^<20>Mg反応率の情報を引き出すため、仮想光子で^<20>Mgを励起し、^<18>Neと2陽子に分解する反応を調べる。^<20>Mg+γ→^<18>Ne+2p反応は^<18>Ne(2p,γ)^<20>Mg反応の逆反応であるため、^<18>Ng(2p,γ)^<20>Mg反応率の情報が引き出せる。 実験は、平成15年12月に理化学研究所加速器研究施設で行った。RIビーム発生装置で約62ΑMeVの^<20>Mgビームを作り、226mg/cm^2厚の鉛標的に照射した。クーロン分解反応で作られた^<18>Neと2陽子の運動エネルギーと散乱角をシリコンテレスコープ、プラスティックシンチレータホドスコープで測定した。^<18>Neの基底状態に分解する反応と^<18>Neの励起状態に分解する反応を区別するため、標的周辺に68個のNaI(Tl)検出器を配置した。核力で励起した成分を見積もるため炭素標的を用いた測定も行った。 現在、実験データの解析中である。今までに得られた実験結果は、^<20>Mgの束縛状態に2^+_1励起状態を発見したことである。2^+_1励起エネルギーはほぼ決定した。換算遷移確率B(E2)を導出するため解析を進めている。
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