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2002 年度 実績報告書

μ粒子寿命の超精密測定のための検出器開発

研究課題

研究課題/領域番号 14740159
研究機関特殊法人理化学研究所

研究代表者

板橋 健太  理化学研究所, ミュオン科学研究室, 研究員 (30322093)

キーワードμ粒子 / 寿命 / チェレンコフ / 光ファイバー / 光電子増倍管 / 検出器開発
研究概要

μ粒子の寿命の測定精度は現在もその統計的な観測数が律しており、精度を向上するには大量のμ粒子の崩壊事象を計測する必要がある。崩壊事象の計測には、加速器を用いて大量のμ粒子を生成し、ほぼ同時に測定器系へと入射するわけだが、このことで実験条件が困難なものにもなる。すなわちμ粒子はexponential関数に従って崩壊するわけだが、入射直後は極めて高い頻度で崩壊事象が観測されるため、この時間領域では統計が稼げる半面系統誤差が大きくなりやすい。系統誤差を小さくしながら、ここで高い統計を得るためには、一つ一つの崩壊事象を分けて観測できる高い時間分解能と、標的起源の崩壊事象のみを選択してバックグラウンドを減らす必要がある。
今回我々はまったく新しいアイディアに基づいた検出器の開発に着手した。この検出器は、チェレンコフ放射を利用したもので、非常に狭い角度アクセプタンスをもち、時間分解能も数十psと極めて高いものである。平成14年度は主に詳しいシミュレーションを行った。その結果、昨年度までの間に考えていた形状ではアクセプタンスが小さすぎて問題があることが判明した。そこで、ラジエータの形状を円形から、八角形と六角形に変更しさらにシミュレーションを行った。また、ライトガイド兼入射角度を制限する役割を担う光ファイバー、そして光を検出する光電子増倍管の各部分も変更して、当初予定していた以上の性能を得ることのできるような選定を行った。現在それらの部品を用いて検出器を組み立てている最中である。平成15年度は、形状の異なる複数のラジエータと、やはり性能の異なる複数の光ファイバーの組み合わせを用いて、まず宇宙線を用いてテストを行う。データの収集及び解析には現在開発中のデータ収集系を用いる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Geissel et al.(主著者は研究代表者): "Deeply bound 1S and 2P pionic states in 205Pb and determination of the S-wave part of the pion--nucleus interaction"Physical Review Letters. 88. 122301 (2002)

  • [文献書誌] G.Beer et al.: "A NEW METHOD TO OBTAIN A PRECISE VALUE OF THE MASS OF THE CHARGED KAON"Physics Letters. B535. 52-58 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-09-28  

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