• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

量子ホール系の動的特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14740181
研究機関東北大学

研究代表者

中島 龍也  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70281962)

キーワード量子ホール系 / 量子モンテカルロ法 / ボーズ・アインシュタイン凝縮 / 回転する希薄原子系 / 集団励起
研究概要

量子ホール系と呼ばれる強磁場中の二次元電子系では,ランダウ量子化により運動エネルギーが大きなエネルギー間隔をもって離散化されるため,クリーンな試料でランダウ準位占有率が整数でない場合には,電子間のクーロン相互作用が系の性質を支配する.このように,量子ホール系は典型的な量子多体系であるため,そこでの動的な励起特性は厳密対角化法などの数値的手法によって追究されてきた.しかし,厳密対角化法では扱える系のサイズに強い制限があるため,より大きな系に対して動的な物理量が計算できる量子モンテカルロ法に注目し,この方法によって量子ホール系を追究した.量子モンテカルロ法においては,高精度計算を阻む負符号問題がしばしば発生する.量子ホール系においてもこの負符号問題が生じるが,この問題に対する新たな克服方法を提案し,非対角長距離秩序相関関数といった具体的な物理量の計算も行った.
一方,ボーズ・アインシュタイン凝縮の実現などにより,トラップされた希薄原子系が注目を集めている.特に,この系を高速回転させた際の現象(vortex latticeの形成など)が盛んに追究されているが,この系のハミルトニアンは実は,回転座標系で見ると磁場中の多粒子系のそれに他ならない.それ故,回転する希薄原子系と量子ホール系との類似性が最近の注目を集めており,原子系での低エネルギー励起とラフリン準粒子との関連も指摘されている.量子ホール系と密接に関連するトラップされた二次元ボーズ系に対し,その集団励起における特異な非線形性を初めて明らかにした.また,その高角運動量極限において実現されるラフリン状態の上には,相互作用の短距離性にもかかわらず有限のenergy gapが存在することをsize scalingにより示した.さらに,roton branchを形成するラフリン準粒子間の束縛エネルギーの相互作用依存性も明らかにした.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Nakajima, M.Ueda: "Energy Gaps and Roton Structure above the ν=1/2 Laughlin State of a Rotating Dilute Bose-Einstein Condensate"Physical Review Letters. 91・14. 140401 (2003)

  • [文献書誌] S.Suzuki, T.Nakajima: "Quantum Monte-Carlo method without negative-sign problem for two-dimensional electron systems under strong magnetic fields"Journal of the Physical Society of Japan. (in press). (2004)

  • [文献書誌] S.Suzuki, T.Nakajima: "Formulation and application of quantum Monte Carlo method to fractional quantum Hall systems"Physica E. (in press). (2004)

  • [文献書誌] Y.Shimoda, T.Nakajima, A.Sawada: "Excitation spectrum of bilayer ν=2 quantum Hall systems"Physica E. (in press). (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi