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2003 年度 実績報告書

高分解能光電子分光による量子臨界点近傍の非フェルミ流体的電子状態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14740192
研究機関大阪大学

研究代表者

関山 明  大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (40294160)

キーワード光電子分光 / 非フェルミ流体 / 量子臨界点 / 高温超伝導体 / フェルミ面 / バルク電子状態 / 強磁性ゆらぎ
研究概要

非フェルミ流体的振舞が期待されている候補としてはホールドープ型高温超伝導体La2-xSrxCuO4(LSCO)が挙げられるが、これらの試料についてバルク電子状態を強く反映した高エネルギー軟X線角度分解光電子分光をアンダートープからオーバードープまでの試料に対して行った。得られたフェルミ面は、最適ドープ及びオーバードープの試料では明らかに電子的であり、アンダードープではホール的とも電子的とも結論付けにくい事が判明した。また、いわゆるストライプの影響はアンダードープ領域でのみ現れ、最適ドープ及びオーバードープ領域では生じない事も分かった。これらの結果は従来の表面敏感な低エネルギー角度分解光電子分光のそれとは異なっている。一方で電子ドープ型高温超伝導体Nd2-xCexCuO4の高エネルギー角度分解光電子分光を行ったところ、このフェルミ面は低エネルギー角度分解光電子分光で報告されているホール的なフェルミ面と定性的に同じであることも判明した。
LSCOと同じ結晶構造を持ち超伝導を示しながら、その発現機構が全く異なるSr2RuO4に対しても高エネルギー角度分解光電子分光を行い、そのフェルミ面を明らかにした。電子的なフェルミ面が2枚、ホール的なフェルミ面が1枚であることを同定した。この構造はSrサイトをCaで微量置換しても変わらない事が判明した。さらには、2つのフェルミ面を結合させると、あたかも互いに直行した2枚の1次元的なフェルミ面が構成されるように見える事も明らかになり、Sr2-xCaxRuO4ではフェルミ面にネスティング不安定性のある事も分かった。この結果は中性子散乱における強磁性揺らぎの存在を裏付けるものであるが、他方でこの強磁性揺らぎが角度分解光電子スペクトル形状にはあまり影響を及ぼさない事も明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Sekiyama: "High-energy bulk-sensitive angle-resolved photoemission study of strongly correlated systems"Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] R.-J.Jung: "Localized character of 4f electrons in CeRhx (x=2,3) and CeNix (x=2,5)"Physical Review Letters. 91. 157601 (2003)

  • [文献書誌] J.-S.Kang: "Resonant photoemission spectroscopy study of impurity-induced melting in Cr-and Ru-doped Nd(1/2)A(1/2)MnO(3)(A=Ca,Sr)"Physical Review B. 68. 012410 (2003)

  • [文献書誌] S.-K.Mo: "Prominent quasiparticle peak in the photoemission spectrum of the metallic phase of V2O3"Physical Review Letters. 90. 186403 (2003)

  • [文献書誌] E.-J.Cho: "Auger effect in high-resolution Ce 3d-edge resonant photoemission"Physical Review B. 67. 155107 (2003)

  • [文献書誌] A.Sekiyama: "High-resolution resonance photoemission study of CeNi"ACTA PHYSICA POLONICA B. 34. 1105 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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