• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

強相関電子系における異方的超伝導の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14740203
研究機関東京大学

研究代表者

柳瀬 陽一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70332575)

キーワード異方的超伝導 / 電子相関 / 高温超伝導 / コバルト酸化物 / D-ベクトル / 運動エネルギー
研究概要

(1)昨年発見されたコバルト酸化物超伝導体における異方的超伝導の可能性について理論的解析を行った。
この系のバンド構造を再現する3バンドハバードモデルに対して摂動論を適用した結果、この物質ではスピン三重項超伝導が実現している可能性が高いことを示した。
(2)バルト酸化物超伝導体におけるスピン三重項超伝導におけるD-ベクトルの方向を決定する微視的理論を構築した。結果的にP-波超伝導の場合には必ずD-ベクトルは2次元面内を向くこと、F-波超伝導の場合にはその方向はパラメーターに依存することがわかった。また、D-ベクトルに関する異方性はP-波の時はかなり強いがF-波の時は相当に弱いことが分かった。これらの結果とNMRの実験結果を比較することによりもっとも可能性の高い超伝導状態を決定した。
(3)高温超伝導体におけるエネルギー論を議論した。通常の超伝導体では、運動エネルギーを損するかわりに相互作用エネルギーを得することで超伝導が発現する。しかしながら、高温超伝導体においては、2つのエネルギーが協力的に働き、超伝導を引き起こしていることをFLEX近似を用いて示した。
(4)高温超伝導体における乱れの効果を研究した相関長が短いことによる特異な空間依存性が生じること、それによる強い揺らぎの増強が存在することを示した。この現象と擬ギャップ現象の関係について議論した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Effects of Fermi surface and superconducting gap structure in the field-rotational experiments2005

    • 著者名/発表者名
      M.Udagawa, Y.Yanase, M.Ogata
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B 71

      ページ: 024511

  • [雑誌論文] Multi-orbital Analysis on the Superconductivity in NaxCoO22005

    • 著者名/発表者名
      Y.Yanase, M.Mochizuki, M.Ogata
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn. 74

      ページ: 430-444

  • [雑誌論文] Pseudogap and Superconducting Fluctuation in High-Tc Cuprates : Theory beyond 1-loop Approximation2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Yanase
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn. 73

      ページ: 1000-1017

  • [雑誌論文] Qusaiparticle density of state in layered superconductors under a magnetic field parallel to the ab plane2004

    • 著者名/発表者名
      M.Udagawa, Y.Yanase, M.Ogata
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B 70

      ページ: 184515

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi