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2002 年度 実績報告書

強磁性と共存するf電子系超伝導体の探索

研究課題

研究課題/領域番号 14740220
研究機関特殊法人日本原子力研究所

研究代表者

山本 悦嗣  特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 研究員 (50343934)

キーワード強磁性 / 超伝導 / ウラン化合物 / 結晶育成 / ドハース・ファンアルフェン効果
研究概要

本年度は強磁性と超伝導が共存するウラン化合物を探索するため、まず強磁性体であることが知られているウラン化合物の純良単結晶育成を行い、それが常圧や加圧下において超伝導を示すかどうかを研究した。具体的にはUIrおよびURhGeの純良単結晶育成を行い、それについて様々な物性測定を行った。
キュリー温度46Kの強磁性体UIrについては、テトラアーク炉での引き上げ法で残留抵抗比が230であるような非常に純良な純良単結晶の育成に成功した。UIrは加圧とともにキュリー温度が減少し、2.0GPaの圧力では完全に見られなくなった。電気抵抗の温度の2乗に比例する項の係数や残留抵抗値が、この強磁性転移が消失する圧力近傍で極大値をとり、量子臨界状態が出現するのが見出された。またドハース・ファンアルフェン効果をはじめて測定することに成功し、フェルミ面を明らかにすることできた。そのほかにも熱電能やホール効果などの測定を行い、伝導物性を明らかにすることができた。この化合物においては圧力下でも超伝導は観測されなかった。
キュリー温度9.5Kの強磁性体で、唯一、常圧で強磁性と超伝導(超伝導転移温度:0.3K)が共存することが報告されているウラン化合物URhGeで、熱処理条件を詳細に研究し、超伝導を示す多結晶体の育成に成功した。この物質の超伝導は非常にデリケートで、試料純度がかなり良くないと超伝導は出現しない。テトラアーク炉での引き上げ法で単結晶試料の育成にも成功した。単結晶試料ではまだ超伝導を示すものができていないが、多結晶体での結果を基にして試料の純度は徐々に向上している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] E.Yamamoto, Y.Haga, H.Shishido, H.Nakawaki, Y.Inada, 他: "De Haas-van Alphen effect in UIr"Physica B. 312-313. 302 (2002)

  • [文献書誌] E.Yamamoto, Y.Haga, T.D.Matsuda, Y.Inada, R.Settai, 他: "Single Crystal Growth and Annealing Temperature of Ferromagnetic URhGe"Acta Physica Polonica B. 34. 1059 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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