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2003 年度 実績報告書

超臨界流体の構造、物性、機能に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14740242
研究機関国立国際医療センター(研究所)

研究代表者

尾又 一実  国立国際医療センター, 研究所医療社会学研究室, 室長 (50317301)

キーワード超臨界流体 / 分子シミュレーション / 分子合成 / 密度揺らぎ / 電子状態 / 密度汎関数法
研究概要

前年度に作成したコンピューター・プログラムを用いて超臨界流体に関する分子シミュレーションを行い、得られた分子の座標から静的構造因子を計算して長距離揺らぎについて検討した。Ornstein-Zernike型の関数形を用いて解析を行い、波数q=0での構造因子の値S(0)と相関長ξを得た。これらを温度-圧力の相図上に示すとS(0)とξの尾根が一致せず、ξの尾根は臨界等密度線付近に位置付けられるが、S(0)の尾根はカーブを描いてこれらの線よりも低圧側に位置付けられることを示した。この結果は、二酸化炭素、水、ベンゼンなどの超臨界流体を用いて行われた最近の実験の結果と一致しており、理論的な裏づけを与えている。この結果はまた、超臨界流体の構造変化についての定性的な説明を可能にする。臨界温度以上で系を十分低圧にしておいて徐々に加圧してゆくと、まず緩やかな分子の集まり(クラスター)が形成される。クラスターの密度と広がりは圧力とともに大きくなるが、S(0)の尾根がξの尾根よりも低圧側に位置付けられるということは、クラスターの内外の密度差がその広がりよりも早く最大に達するということを意味している。クラスター内外の密度差が最大となった後さらに圧力を加えると、密度差が減少し始めるのと同時にクラスターは間隙が埋まって融合し、高密度領域と低密度領域の大きさが同程度になったときξの大きさが最大となる。このことに対するより強い確証を得るため、現在、様々な熱力学量などを計算中である。
尚この研究結果は、2004年6月にイタリアで行われる国際会議3^<rd> International Conference, Computational Modeling and Simulation of Materialsでの口頭発表が、審査の結果許可されており、この時に情報交換と論文発表を行う予定である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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