研究概要 |
1.荷重応答を畳み込み積分を用いて見積もるソフトウエアの改修を開始した。一般に、このような計算は、(1)全球の細かいグリッドヘの分割、(2)各グリッドにおける水質量が地球表面のある点(評価点)におよぼす荷重の影響の評価、という手順を踏む。高速化のためのアルゴリズム改良として、(1)についてはグリッド分割の最適化、(2)についてはグリッド点と評価点の角距離に関する対象性の利用を検討した。改修自体はまだ完了していないため、来年度も引き続きソフトウエア開発を継続する。 2.長周期海洋荷重のデータベース化に必要となる海洋大循環モデルのアウトプットについて調査を行った。特に、中国・武漢で開催されたInternational Workshop on Satellite Altimetry for Geodesy, Geophysics and Oceanographyに参加し、世界の海洋学者から有益な情報を得ることが出来た。検討の結果、現業的に海洋大循環モデルと衛星高度計データを同化し、計算結果をネットワークにて公開しているECCOグループ(http://www.ecco-group.org/)のプロダクトを利用することとした。 3.ECCOプロダクトを用いた予備的な解析を行った。海面高度、および表面海水温度の1度グリッドデータの180次までの球面調和係数から全球的な荷重変形のスナップショットを描く試験計算を行った。温度係数の検討、regional modelとの比較などを引き続いて行う予定である。
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