平成14年度に実施した人工電流源の動作試験(調査船かいれいKR02-14航海)で得られた、電流通電時のケーブル温度の変動や電流電圧値の変動のデータをまとめ、既存のウインチおよびケーブルを用いた人工電流探査時の通電方法を確立した(物理探査誌に投稿準備中) 熊本県三角半島付近の浅海(八代海)において、部分的に試作が出来た海底電位差磁力計を使用して、自然の電磁場変動の測定試験を行った。結果としては、地磁気変動によって地下に誘導された電位差変動の記録に成功した。測器のノイズレベルは十分に低く、人工電流探査時の受信機としての性能を十分要することが確認できた。また、潮の干満に伴う大きな自然電位変動を記録することが出来た。データ解析は進行中であるが、この自然電位変動は、潮汐変動に伴う海底湧水量の変動を反映したものであると考えられる。 平成14年度より引き続いて、海底電磁場の数値計算プログラムを人工電磁場探査用に再構築を実施した。特に、海水層や海底地形を含むような3次元的な電気伝導度構造に対して、任意の(複雑な)電流ソース形状から発される直流電場分布の計算が可能となった。
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