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2002 年度 実績報告書

北西太平洋における混合層の消長に伴う熱収支・水塊形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14740282
研究機関気象庁気象研究所

研究代表者

辻野 博之  気象庁気象研究所, 海洋研究部・第一研究室, 研究官 (50343893)

キーワード北西太平洋循環 / 高解像度数値海洋モデル / モード水
研究概要

ヨーロッパ中期予報センターの月別気候値を駆動外力として渦解像北太平洋海洋循環モデルで25年間積分した。最後の5年間の結果から5日毎に平均値を算出してデータセットを作成し、以下の海洋現象に着眼した解析を行った。
1.北西太平洋域で冬期に発達する混合層の成長・衰退に強い影響を及ぼす熱的要因を明らかにする。
2.北西太平洋で形成される水塊の質と量を明らかにするため、混合層で形成される水塊のうち、海洋の内部循環に入り込んだ量を算出し過去の研究結果と比較する。
3.冬期に混合層が発達する海域を囲む閉じた領域を選定して熱・質量収支の時系列を求め、水塊の変質過程を明らかにする。
以上の解析の結果、以下のことが明らかになった。
1.冬期の混合層の発達には、海面において大気に冷却されることによって生じた対流混合が最も強く働いており、衰退には、黒潮による暖水の輸送が強く働いている。
2.北西太平洋で混合層が発達する海域は、形成される水塊の特徴から3つに分けられ、それらは日本東方沖に発達する3つの海洋前線、黒潮続流・黒潮続流北分枝・亜寒帯前線によって区切られている。それぞれの海域では、異なった特徴をもつ水塊が形成され、海洋の内部循環に取り込まれている。
3.海面で大量の熱が失われているものの、海面における密度変化はさほど大きくなく、形成された水塊も殆どが亜熱帯循環系内で再循環している。
以上の結果をまとめ、"Formation and circulation of mode waters of the North Pacific in a high resolution GCM"という題の論文を作成、学会誌に投稿中である。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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