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2004 年度 実績報告書

原始太陽系星雲中の衝撃波によるコンドリュール形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14740284
研究機関筑波大学

研究代表者

中本 泰史  筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60261757)

キーワード隕石 / コンドリュール / 衝撃波加熱モデル / 原始惑星系円盤
研究概要

本年度は,高速気流中での液滴の力学的安定性の解析,コンドリュール形成にとって適切な熱履歴を再現できる衝撃波の光学的条件,などの点についての研究を進めた.
コンドリュールの衝撃波加熱形成モデルでは,衝撃波面通過後,ダスト粒子は表面から順に加熱され溶融する.したがって一時的に,表面が液体,内部が固体という構造になることが期待される.このような部分溶融状態の液滴が,高速気流中で力学的に安定に存在出来るのかどうかという問題を,線型化した流体力学方程式を解析的に解くことによって調べた.まず,液体マントル-固体コア構造の粒子のうち,液体マントルの内部流や変形についての解析的な解を求めた.次にこの解を用いて,液体マントルがはぎ取られる条件を調べた.その結果,一般に,粒子のサイズが大きい場合には剥ぎ取りが起きることがわかった.さらに,衝撃波加熱モデルで粒子を加熱できる条件を満たす衝撃波において剥ぎ取りが起きない最大サイズを求めたところ,約1mm程度となることがわかった.これは実際に観測されているコンドリュールの最大サイズとほぼ一致している.したがって,コンドリュールの最大サイズは液滴部の剥ぎ取りによって決まったと考えられる.
一方,コンドリュールを形成するためには適切な熱履歴が必要であると考えられている.従来は,冷却率だけが問題になっていたが,最近,加熱率にも観測的に制限が与えられた.本研究では,冷却率と加熱率の2つが同時に満たされる条件を調べた.その結果,密度が比較的低く衝撃波速度が大きい衝撃波の場合にのみ,両方の条件が満たされることがわかった.これは,コンドリュールを形成をした衝撃波の生成条件を明らかにする上で,極めて重要な知見であると思われる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Chondrule Age Distribution and Rate of Heating Events for Chondrule Formation2005

    • 著者名/発表者名
      Taishi Nakamoto, Noriko T.Kita, Shogo Tachibana
    • 雑誌名

      Antarctic Meteorite Research (印刷中)

  • [雑誌論文] Thermal History of Chondrules during Shock-Wave Heating2005

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Miura, Taishi Nakamoto
    • 雑誌名

      Antarctic Meteorite Research (印刷中)

  • [雑誌論文] A Shock-Wave Heating Model for Chondrule Formation II : Minimum Size of Chondrule Precursors2005

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Miura, Taishi Nakamoto
    • 雑誌名

      Icarus (印刷中)

  • [雑誌論文] Shock-Wave Heating Chondrule Formation : Generation of Shock Waves at Upper Region of Solar Nebula by X-Ray Flares and Expanding Magnetic Bubbles2005

    • 著者名/発表者名
      T.Nakamoto, M.R.Hayashi, N.T.Kita, S.Tachibana
    • 雑誌名

      Proceedings of ISAS Lunar and Planetary Symposium 37

      ページ: 49-52

  • [雑誌論文] Shock-Wave Heating Model for Chondrule Formation : Chondrule Formation in a Less-Dusty Environment2005

    • 著者名/発表者名
      H.Miura, T.Nakamoto
    • 雑誌名

      Proceedings of ISAS Lunar and Planetary Symposium 37

      ページ: 41-44

  • [雑誌論文] Maximal Size of Chondrules in Shock Wave Heating Model : Stripping of Liquid Surface of the Porous Dust2005

    • 著者名/発表者名
      T.Kato, T.Nakamoto
    • 雑誌名

      Proceedings of ISAS Lunar and Planetary Symposium 37

      ページ: 53-56

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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