1 観測手法の開発および新規観測 1)南北半球に展開されているSuperDARNレーダーを利用して中間圏界面領域の流星風観測を精度良く行う手法を開発した。昭和基地のレーダーを用いた実験からは、従来手法では困難のあった大気波動の鉛直情報を取り出すことができ、初期結果を国際学会誌に報告した。この手法をSuperDARNレーダー全体に適用し、極域の中間圏界面観測ネットワークを形成する準備を行なった。 2)オーロラの影響の少ない波長589nmにおける大気光のイメージング観測を昭和基地と南極点基地で行ない、良好なデータを南極冬期間にわたって取得できた。南極点データの初期解析からは大気重力波の水平伝搬方向に強い経度依存性があることが伺えた。 2 中間圏界面領域の平均的な風速・温度場の導出 MFレーダーおよびナトリウム温度ライダーを用いて、それぞれ水平風速および温度の良好な観測を継続した。ライダー観測では、成層圏のレイリー散乱エコーとラジオゾンデ観測を合わせ、地表から高度100kmにいたる冬期南極の鉛直温度構造が得られた。 3 大気波動のパラメター抽出 昭和基地、Davis基地、Rothera基地の南極3点のMFレーダー観測結果から、半日大気潮汐波の経度構造をさぐり、国際学会誌に結果を掲載した。冬期には太陽同期する東西波数2の構造が、夏期には太陽非同期の波数1の構造が卓越する事が示された。
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