研究概要 |
本年度の研究実施計画に沿って記述する. 1.の使用機器に関しては,以下の通りである.水銀ポロシメーター(東大海洋研)の電気系統の故障は、修理を行う予定になっており,現在,東大海洋研の芦寿一郎助教授と連絡を取って,作業を進めている.走査型電子顕微鏡は,筑波大学の小川勇二郎教授と連絡を取って、整備作業を完了した.画像解析用コンピューターを購入し,解析するための準備を完了した. 2.の試料処理の進行状況に関しては以下の通りである.研究に用いている試料は,主に,2000年に採取されたKR99-10フィリピン海の海底表層の粘土質試料,2001年に採取されたKR01-09沖縄沖の海底表層の泥質・砂質試料である.このうち,後者の画像解析などの前処理が完了しておらず,今年度中に完了させる予定である.前者は,SEM画像の解析を行い,画像解析から間隙率を算出する方法を検討中であり,来年度水銀ポロシメーターを使ってデータを得て,画像解析データと比較する予定である. 3.のデータの公表に関しては以下の通りである.KR01-09沖縄トラフの表層の泥質・砂質試料で,明らかになった堆積学的・岩石磁気学的データを,JAMSTEC深海研究で迅速に報告した.表層堆積物で続成による結晶(黄鉄鉱)の成長過程についてGSA Abstract with Programで迅速に発表した.また,試料処理方法の改善点を,Proc. ODP SR185,地質学雑誌・地盤シンポジウム発表論文集で公表した.さらに,来年度,海洋科学技術センターの潜水調査船「しんかい6500」(4〜5月乗船予定)と「かいこう」(6〜7月母船に乗船予定)を用いて,南海トラフと日本海溝の極表層堆積物を採取し,海底を観察する予定であり,それらの試料も併せて処理してゆく.
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