研究概要 |
平成14年度は以下の研究を行った。 マイクロマンガンノジュールの産出頻度の検討 ODP Leg199航海(古第三紀東赤道太平洋トランセクト)で得られたSite1216,Site1220試料を用いて,マイクロマンガンノジュールの産出頻度を概観した。その結果,Site1216においては,中期始新世から後期始新世にかけて濃集しており,その後徐々に低頻度となること,Site1220においては,前期始新世から前期中新世まで,時代ごとの顕著な頻度増減は見られず比較的一様であること,が明らかとなった。このように,同じ東赤道太平洋深層域にあっても時代ごとのマイクロマンガンノジュールの産出頻度傾向が異なることは,全海洋的な環境というよりむしろ地域的な海況が,産出頻度に大きな影響を及ぼす可能性を示唆している。この研究成果について,様々な専門の研究者の意見を聴き,議論を重ねた。 マイクロマンガンノジュールの抽出法検討 これまでの研究成果(例えば杉谷1987;澤田1988,1989など)を参考にし,Leg199試料および茨城県南部に広がる海成層を用いてマイクロマンガンノジュールの抽出法のルーチン化を試み,試料粉砕の時の過酸化水素濃度,試料洗浄時のメッシュ径について各種検討を加えた。 マイクロノジュールのSr同位体分析,Pb同位体前処理法の検討 上で抽出したマイクロマンガンノジュールに関して,予察的なSr同位体分析を行うとともにPb同位体分析に関する前処理法について検討を加えた。
|