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2002 年度 実績報告書

新第三紀以降の浅海-海浜環境における化石底生群集-その古生態と生痕ファブリック

研究課題

研究課題/領域番号 14740299
研究機関愛媛大学

研究代表者

奈良 正和  愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 助手 (90314947)

キーワード古生態 / 生痕化石群集 / 化石群集 / 堆積相解析 / 堆積システム / シーケンス層序 / 沿岸環境 / 古生態系
研究概要

沖縄県西表島干立に露出する中新統八重山層群西表層で堆積相解析を行い,この地層が潮汐低地システムで形成されたことを明らかにした.この潮汐低地システム堆積物中から,二枚貝の逃避痕であるLockeia siliquaria,甲殻類の居住痕であるOphiomorpha annulata?およびOphiomorpha isp.,多毛類の排泄痕と考えられるMacaronichnus isp.とPhycosipon incertumを発見した.また,西表島では,地層解析の参考とするため,ボックスコアを用いた干潟の観察も行い,現生エイ類の底生動物に対する捕食にともなって,incipient Piscichnus waitemataが形成されていることも観察した.
和歌山県白浜町に露出する中新統白浜層からも潮汐低地システム堆積物を見いだした.ここからは,Macaronichnus isp.,フサゴカイ類の居住痕と考えられるRosselia socialis, Dactyloidites?,甲殻類の居住痕Ophiomorpha nodosa,不正形ウニ類の移動痕と考えられるBichordites? isp., Schaubcylindrichnus isp.などの生痕化石を発見した.
高知県土佐清水市に露出する中新統三崎層群の観察を行い,従来,沖浜漸移帯で形成されたと考えられてきた地層が,実際は潮汐低地システムで形成されたことを発見した.ここの生痕化石群の詳細は,現在調査中である.
上総層群市宿層(更新統)は,房総半島中西部に分布する海進期の浅海に形成されたサンドリッジシステムの堆積物である.市宿層の大型トラフ型斜交層理砂岩相から発見した特徴的な内部構造を有するMacaronichnus? isp.の産状観察を行った.
その他,更新統下総層群,ドイツのデボン系Taunus珪岩などの浅海性生痕化石に関するまとめを行った.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nara, Masakazu: "Crowded Rosselia socialis in Pleistocene inner shelf deposits : Benthic paleoecology during rapid sea-level rise"Palaios. 17. 268-276 (2002)

  • [文献書誌] Schlirf, M., Nara, M., Uchman, A.: "Invertebraten Spurenfossilien aus dem Taunusquarzit (Siegen, Unterdevon) von der "Rossel" nahe Rudesheim"Jahrbuch des nassauischen Vereins fur Naturkunde. 123. 43-63 (2002)

  • [文献書誌] 小竹信宏, 奈良正和: "生痕化石Piscichnus waitemata -ジェット水流を用いた摂食行動の痕跡-"地質学雑誌. 108. I-II (2002)

  • [文献書誌] 奈良正和, 渡部寛志, 井内美郎, 忽那定則, 柳澤 暁: "粗粒・細粒砕屑物による急速埋没に対するナメクジウオ Branchiostoma belcheriの耐性"日本ベントス学会誌. 57. 97-105 (2002)

  • [文献書誌] 榊原正幸, 井内美郎, 奈良正和: "2001年芸予地震における愛媛県東予市周辺の液状化現象"地質学雑誌. 108. XIII-XIV (2002)

  • [文献書誌] Nara, Masakazu: "Macaronichnus segregatis and Rosselia socialis In Atlas of Ichnofabrics-Recognition and Utility"Society for Sedimentary Geology(in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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