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2002 年度 実績報告書

サンゴ礁生態系の炭素循環における有孔虫類の役割

研究課題

研究課題/領域番号 14740301
研究機関琉球大学

研究代表者

藤田 和彦  琉球大学, 理学部, 助手 (00343377)

キーワードサンゴ礁生態系 / 炭素循環 / 有孔虫 / 炭酸塩生産量
研究概要

本年度は,以下の項目について研究を行った.
1.定点観測 サンゴ礁の礁原に特徴的な有孔虫群集の現存量と各種の生活史を明らかにするため,阿嘉島の礁原に観測定点を設定し,季節的な水質測定と試料採取とを開始した.また,島棚域から島棚斜面域における炭酸塩生産量を定量的に評価するために,宮古島西方海域においてグラブ採泥器を用いた表層堆積物試料の採取を試みた.その結果,水深約90m付近においてCycloclepeusを中心とする遺骸大型有孔虫の密集層が採取され,さらに150mから300mまで約50mごとに定量的な表層堆積物試料を採取することに成功した.今後,これらの表層試料に含まれる生体有孔虫を用いて有孔虫の無機炭素・有機炭素生産速度を測定する予定である.
2.生殖生態の観察 有孔虫の高い無機炭素生産量には無性生殖による増殖が関連しているため,礁原に多産するCalcarinidae科有孔虫数種について,無性生殖過程を観察し,産クローン数の計数を試みた.今年度は特に飼育装置の開発と飼育環境条件の特定を中心に行った.
3.成長率測定実験 個体レベルの成長速度を調べるため,測定用ケージを作成し,予備実験を行った.
4.遺骸殻の分布解析 生産された有孔虫殻が最終的にどこへどれくらい堆積するのか把握するために,さまざまな礁環境や水深に分布する大型有孔虫10種について,遺骸殻の分布パターンを検討した.その結果,浅海域に棲息する大型有孔虫の遺骸殻(1.2mm径)は水深100m前後まで分布しているが,それ以深では確認されない.このことから,礁原で生産された有孔虫は,島棚以浅に堆積していることが示唆された.また,島棚域に棲,息する大型有孔虫の遺骸殻は島棚斜面まで運ばれており,今後,総生産量のうちどれくらい深海域へ運ばれるのかについて検討する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 藤田和彦: "有孔虫も白化するのか?"みどりいし((財)阿嘉島臨海研究所機関紙). 13. 9-11 (2002)

  • [文献書誌] 中村衛ほか9名: "南西諸島南部海域の地質学的・地球物理学的調査-長崎丸RNO2航海報告-"琉球大学理学部紀要. 74. 49-63 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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