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2002 年度 実績報告書

珪酸塩ペロブスカイト中の酸素欠陥を伴うアルミニウムの置換に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14740306
研究機関学習院大学

研究代表者

糀谷 浩  学習院大学, 理学部・化学科, 助手 (60291522)

キーワードMgSiO_3ペロブスカイト / アルミニウム置換 / 酸素欠陥 / 高圧高温実験 / 高温熱量測定 / 熱力学的安定性 / NMR測定 / 下部マントル
研究概要

高圧高温実験により、MgSiO_3-MgAlO_<2.5>系の27GPa,1600℃での高圧相関係を明らかにした。出発組成をMgSi_<1-x>AlxO_<3-X/2>で示した場合、X=0.05の試料では、ペロブスカイトの単相が合成されたことから、ノンストイキオメトリックなAlを含むMgSiO_3ペロブスカイトの存在が積極的に示された。また、Alの最大固溶量は約X=0.1であることが予想された。X=0.1の試料については、700℃でのホウ酸鉛溶媒を使用した落下溶解熱量測定を行った。その結果、MgSi_<0.9>Al_<0.1>O_<2.95>ペロブスカイトの落下溶解エンタルピーはΔH_<d-s>=10.24±4.28kJ/molと得られた。この値から、25℃におけるMgSi_<0.9>Al_<0.1>O_<2.95>ペロブスカイトの酸化物からの生成エンタルピーは、66.82±4.32kJ/molと決定された。Mg_<0.95>Si_<0.95>Al_<0.1>O_3ペロブスカイトの生成エンタルピー(60.76±1.07kJ/mol)との比較から、MgSi_<0.9>Al_<0.1>O_<2.95>ペロブスカイトの安定性において酸素欠陥による配置のエントロピー項が重要な役割を果たしていることが予想された。また、X=0,0.05,0.1の3つのペロブスカイトおよびMg_<0.95>Si_<0.95>Al_<0.1>O_3ペロブスカイトについて粉末X線回折測定を行い、格子定数を決定した。ペロブスカイトの空間群をPbnmとしたとき、Alの含有量の増加に伴ってb軸とc軸の長さはほぼ直線的に増加していくが、a軸の長さは誤差範囲で一定となった。MgSi_<0.9>Al_<0.1>O_<2.95>(X=0.1)ペロブスカイトとMg_<0.95>Si_<0.95>Al_<0.1>O_3ペロブスカイトの比較から、a軸とc軸の長さはそれぞれ誤差範囲で一致したが、b軸に関しては誤差範囲を超えてMgSi_<0.9>Al_<0.1>O_<2.95>ペロブスカイトがMg_<0.95>Si_<0.95>Al_<0.1>O_3ペロブスカイトよりも小さくなる結果が得られた。さらに、X=0.1試料の^<27>AlのNMR測定からは、Mg_<0.95>Si_<0.95>Al_<0.1>O_3ペロブスカイトでは観測されなかったピークが得られた。そのピークは、酸素欠陥による酸素5配位のAlからのものであると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 糀谷浩, 宮島延吉: "アルミニウムを含む下部マントル物質の鉱物化学"高圧力の科学と技術. 第12巻2号. 126-137 (2002)

  • [文献書誌] A.Navrotsky: "Aluminum in Magnesium Silicate Perovskite : Formation, Atructure, and Energetics of Magnesium-Rich Defect Solid Solutions"Journal of Geophysical Research. (in press). (2003)

  • [文献書誌] J.F.Stebbins: "Aluminum substitution in MgSiO_3 perovskite : Investigation of multiple mechanisms by ^<27>Al NMR"American Mineralogist. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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