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2004 年度 実績報告書

メタロジエン-鉄錯体を利用する有機合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14740351
研究機関九州工業大学

研究代表者

岡内 辰夫  九州工業大学, 工学部, 助教授 (60274552)

キーワードジエン-鉄錯体 / リチオジエン-鉄錯体 / CO挿入反応 / リン配位子 / アシルアニオン / 配位子交換反応
研究概要

リチオジエン-Fe(CO)_3に対し、反応性の高いsp^3炭素を有するアリルハライド、又はベンジルハライドを作用させたところ、予期していたアルキル化生成物は得られず、3位とアルキル基間に鉄錯体由来と考えられるCO配位子が挿入された化合物が得られることを見出した。このときの反応機構はリチオジエン-Fe(CO)_3のFe上のCO配位子が3位に挿入することで生成するアシルアニオン中間体に相当する化学種を経由し、得られたと考えられる。このアシルアニオン中間体はこれまでに報告例がなく、有機合成化学上、非常に興味深い化学種である。
上記のCO配位子挿入反応において、リチオジエン-Fe(CO)_3のFe上のCO配位子が分子内、または分子間で移動することでアシルアニオン中間体が得られるため、Feが配位不飽和であることが示唆される。そこで、アシルアニオン中間体に対し適当な配位子を作用させることでCOが鉄錯体の3位に挿入し、かつ配位子交換反応が進行した化合物が合成できるのではないかと考えた。その結果、配位子としてPMe_3を作用させたところ、COが挿入しかつ鉄上の配位子を高収率で得ることに成功した。また、PMe_3以外のリン配位子を作用させても同様の反応が進行している。
リチオジエン-Fe(CO)_3の反応性を制御する目的で、Fe上の配位子を変換することを考えた。すなわち、FeのCO配位子をリン配位子に換えた錯体に対して塩基を作用させてみた。その結果、^nBuLiを作用させることで、比較的安定なリチオジエン-Fe(CO)_2PR_3が調製でき、合成反応に利用できることを見出した。この中間体に種々の求電子剤を作用させた結果、アルデヒドとも反応し、付加体が得られることを見出した。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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