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2002 年度 実績報告書

円錐型基板接続部を持つ単分子ワイヤーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14740354
研究機関大阪市立大学

研究代表者

小嵜 正敏  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10295678)

キーワードオリゴチオフェン / ジカチオン / 結晶構造 / バンドギャップ / 単分子ワイヤー / 両性化合物 / シクロペンタジチオフェン / オルトキノイド
研究概要

小さなHOMO-LUMO差を持つ共役分子の合成とその性質の評価
1、小さなHOMO-LUMOギャップをもつ両性クォーターチオフェン誘導体の合成と性質
小さなHOMO-LUMOギャップを持つ分子を得るために、(CPDT)骨格をもつクォーターチオフェン誘導体を合成した。紫外-可視吸収スペクトルとサイクリックボルタモグラム(CV)を測定した結果、合成した分子が中性のポリチオフェンのバンドギャップ(2.1 eV)よりも小さなHOMO-LUMO差(1.03-1.97 eV)を持つこと、特徴的な多段階の酸化還元挙動を示すことを明らかにした。また、CPDT骨格を二量化すると、HOMOのエネルギーは大きく不安定化するが、LUMOのエネルギーにはほとんど影響を与えないことを示した。
2、クォーターチオフェン誘導体のジカチオンの合成と構造
定電流電解法によりクォーターチオフェン誘導体のジカチオン塩(FeCl_4塩)の作成、単離に成功した。また、ジカチオン塩の単結晶を作成しX線構造解析を行った。その結果より、ジカチオン状態ではCPDT骨格がキノイド型の構造をとっていることを明らかにした。これはオリゴチオフェンおよびその誘導体のジカチオンの単離、結晶構造構造を行ったはじめての例である。
3、オルトキノイド骨格を有するビチオフェン誘導体の合成と性質
ジケトン基で3、3'位を架橋したビチオフェン誘導体のα位に種々のヘテロ環を導入し、分子HOMO-LUMO差を制御した。紫外可視吸収スペクトル、CVの測定により、分子のHOMO-LUMO差、フロンティア軌道のエネルギー準位に対するヘテロ環導入の効果をしらべた。その結果、ヘテロ環の導入により分子のHOMO-LUMO差が小さくなること、ヘテロ環の効果は分子のHOMOの軌道を変化させるがLUMOの軌道には現れないことを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小嵜 正敏: "Cyclopentadithiophene (CPDT)-dimer dication ; bipolaron model for quaterthiophenes"Organic Letter. 4・25. 4535-4538 (2002)

  • [文献書誌] 小嵜 正敏: "Novel cyclopentadithiophene dimers with small HOMO-LUMO gaps"Synthetic Metals. (印刷中).

  • [文献書誌] 大西 洋之: "Synthesis and properties of thiophene oligomers containing ο-quinoid skeleton"Synthetic Metals. (印刷中).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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