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2003 年度 実績報告書

立体選択的光誘起電子移動反応のポテンシャル依存性とマーカス理論による解析

研究課題

研究課題/領域番号 14740366
研究機関沖縄工業高等専門学校

研究代表者

濱田 泰輔  沖縄工業高等専門学校, 教授 (10253717)

キーワード光反応 / 電子移動反応 / 立体選択性 / マーカス理論 / 光誘起電子移動反応 / ルテニウム錯体
研究概要

1.光学活性置換基isopinocampheolをエステル結合により2,2'-ビピリジンの4,4'-位に導入した、新規不斉配位子を1つ、あるいは2つ有する新規キラルルテニウム(II)錯体を合成した。これらルテニウム(II)錯体の光励起状態の光学活性コバルト(III)錯体による消光反応を測定したところ、反応速度は不斉配位子を2つ有する錯体の方が、1つ有する錯体よりも小さかった。また、立体選択性はいずれの錯体を用いた場合も大きく、25℃において1.5倍を超える値が得られた。これら反応速度の違い、および立体選択性についてマーカス理論による速度論解析を行い、電子的カップリング要素(H_<rp>)および再配列エネルギー(λ)を検討した。新規に合成したいずれのルテニウム(II)錯体においてもλの違いよりもH_<rp>における違いが大きく反応速度に影響を及ぼしていることが明らかになった。また、不斉配位子の数が少ない錯体の場命においてH_<rp>が大きく、軌道の重なりが大きいことが示された。
2.1.で開発したルテニウム(II)錯体を光触媒として用い、光学活性コバルト(III)錯体の還元反応を行ったところ、光学異性体の一方の異性体の優先的光分解が確認された。光学活性化合物の光学分割に用いることが可能であることが明らかになった。
3.ルテニウム(II)錯体と嵩高さの異なるビオローゲン誘導体への光誘起電子移動反応のマーカス理論による検討を行ったところ、嵩高さが増し分子半径が増大すると、H_<rp>およびλが減少することを明らかにした。さらに、ビオローゲン誘導体からルテニウム(III)錯体への逆電子移動反応においても同様に電子移動速度定数の測定を行い、電子的カップリング要素および再配列エネルギーによる検討を行い、逆電子移動速度に及ぼす因子を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Taisuke Hamada: "Kinetic Study of Photo-induced Electron Transfer Reaction between Ruthenium(II) Complesxes of 2,2'-Bipyridine Derivatives and Methylviologen. Effects of Bulky Substituent Introduced to 2,2'-Bipyridine"Dalton Transactions. 2003. 692-698 (2003)

  • [文献書誌] Hiroaki Koga: "Methylviologen-pendant iron porphyrins as models of a reduction enzyme : six-electron reduction of nitrobenzene to aniline"Dalton Transactions. 2003. 1153-1160 (2003)

  • [文献書誌] Shigeyoshi Sakaki: "Chiral Photochemistry, Inoue and Ramamurthy Eds., Chapter 7, "Chiral Photochemistry with Transition Metal Complexes""MARCEL DEKKER, INC. 261-313 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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