1.細孔径の異なる均一メソ細孔性シリカの合成 FSM-16を中心に界面活性剤の分子長を利用して細孔径の異なる均一メソ細孔性シリカの合成を行った。 2.細孔の金属フタロシアニン導入 フタロシアニン溶液を真空中のシリカに導入することで液相吸着によるメソ孔性シリカの細孔内への導入を行った。気相におけるフタロシアニンの導入についても行う予定である。 3.表面及び細孔構造解析 調製されたメソ細孔性シリカおよび銅フタロシアニン導入シリカの構造及び物性のキャラクタリゼーションを行った。具体的には表面構造解析を電子顕微鏡、細孔構造解析を窒素吸着実験によって行った。その結果メソ細孔内および粒子表面に銅フタロシアニンの導入及び被覆が確認された。細孔構造解析によってメソ孔による吸着等温線のヒステリシスがフタロシハニン導入シリカでは殆ど見られなくなり、導入量と細孔容量等の検討の結果メソ細孔内に銅フタロシアニンが導入されていることがわかった。 以上研究成果について第55回コロイドおよび界面化学討論会において発表を行った。 現在自作光照射用セルを設計中であり光増感による触媒作用についての検討を行う。また細孔内へのフタロシアニンの導入量との相関についても検討する予定である。 4.付帯的ではあるがメソ細孔性シリカの表面及び細孔に有機半導体である銅フタロシアニンを導入することによりその粒子分散系が低電流において顕著な電気粘性効果を発現することを見いだし、2003国際コロイド会議(ブラジル9月)において発表予定である。
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