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2002 年度 実績報告書

大腸癌スクリーニング用の新規計測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 14740407
研究機関東京薬科大学

研究代表者

小谷 明  東京薬科大学, 薬学部, 助手 (40318184)

キーワード大腸癌 / 潰瘍性大腸炎 / 短鎖脂肪酸 / 電気化学検出 / HPLC / 糞便
研究概要

大腸癌患者の糞便中の短鎖脂肪酸は、健常人に比べ、酢酸は有意な増加、酪酸は有意な減少を示すと報告されている。従来の大腸癌の検査法である便潜血検査は、早期発見の役に立たず、バリウム検査・内視鏡検査は、医師の技術で診断の正確さ、苦痛が大きく異なるなどの問題点がある。そのため、臨床現場では大腸癌の早期発見を行うための的確なスクリーニング方法の開発が熱望されている。
従来、短鎖脂肪酸の測定にはガスクロマトグラフィーが用いられているが、前処理や誘導体化などの操作が繁雑であり、臨床現場での応用は困難であった。
本研究では、すでに開発した「キノンの電解を利用した脂肪酸の高感度測定法」を基本として、臨床現場において有用な大腸癌の的確なスクリーニング方法を開発する。
本年度は、測定方法の基本構成を確立した。
(1)短鎖脂肪酸のボルタンメトリー
ヒトの糞便中には、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸や乳酸が存在する。これらの短鎖脂肪酸がキノン溶液に共存するとキノンの電解還元時のボルタモグラム上に酸の濃度に比例する特異的なピークが出現した。このボルタモグラムの電流計測により、いずれの短鎖脂肪酸もボルタンメトリーによる定量ができることが明らかとなった。
(2)短鎖脂肪酸測定用の電気化学検出HPLCの構築
短鎖脂肪酸の分離定量のために(1)で確立した電気化学検出法とHPLCを組み合わせた。この電気化学検出HPLCが糞便中短鎖脂肪酸の測定を行える感度および精度を有するかを検討した。試料として、糞便と同様に生体試料で、より複雑なマトリックスをもつ血液を用い、血中乳酸の定量を行った。乳酸量0.1-40nmolの間でよい直線関係(r>0.999)を示し、10nmolの乳酸についての相対標準偏差は1.18%(n=10)、1回の測定時間は10分であった。本法は、従来法に比べ、簡易、迅速かつ高感度に乳酸の測定ができることが明らかとなり、糞便中の短鎖脂肪酸の分離定量も充分可能であることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 宮口裕二, 小谷 明, 楠 文代: "電気化学検出高速液体クロマトグラフィーによる血中乳酸の定量"分析化学. 51・9. 703-706 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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