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2003 年度 実績報告書

DNA複製時におけるゲノム安定化維持機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14740411
研究機関大阪大学

研究代表者

菱田 卓  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60335388)

キーワードDNA複製 / DNA相同組換え / SOS応答 / ゲノム不安定化
研究概要

DNA複製の阻害は細胞にとって致死となるため、DNA修復、チェックポイント機構などが働き、障害を取り除いて複製を再開するメカニズムは、ゲノムの安定性を維持するために重要である。ヒトにおいては、これらのシステムに異常が生じた場合、突然変異頻度の上昇等のゲノム不安定化が引き起こされ、発がんの原因になることがわかっている。
出芽酵母において、RecQヘリケースファミリーに属するSgs1蛋白質及び我々が同定したMgs1蛋白質は、大腸菌からヒトまで高度に保存されており、複製阻害からの回復経路において重要な働きをしていると考えられています。そこで、我々は現在、大腸菌及び出芽酵母の2つの生物種をモデル生物としてMgs1及びRecQファミリーの解析を行っており、これらの異なった生物種から得られた各々のデータを互いにフィードバックすることが研究の進展に貢献してきています。今回の研究から、出芽酵母Mgs1は、DNAポリメラーゼδによるゲノムDNA複製が阻害された時に、これまで知られていたRAD6経路とは別の新規の経路としてゲノム安定性の維持に働いていることを明らかにしました。また、大腸菌RecQタンパク質の解析から、複製フォーク特異的な結合及びヘリケース活性を発見し、ラギング鎖上に単鎖DNA領域を拡大することでRecAタンパク質を停止したフォーク上にリクルートする役割を担っており、その結果、活性化したRecAタンパク質に依存したSOS応答(チェックポイント機能)及びフォークの再生(相同組換え機能)を制御することで染色体DNAの安定性維持に働いていることを明らかにしました(投稿中)。これらの結果は、いずれも遺伝学会で発表し、ベストペーパーズ賞を頂きました。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hishida T: "Uncoupling of the ATPase activity from the branch migration activity of RuvAB protein complexes containing both wild-type and ATPase-defective RuvB protein"Genes to Cells. 8. 721-730 (2003)

  • [文献書誌] Hishida T: "Saccharomyces cerevisiae MGS1 is essential in strains deficient in the RAD6-dependent DNA damage tolerance pathway"The EMBO journal. 21. 2019-2029 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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