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2002 年度 実績報告書

管状要素プログラム細胞死における液胞崩壊機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14740447
研究機関特殊法人理化学研究所

研究代表者

栗山 英夫  理化学研究所, 形態形成研究グループ, 基礎科学特別研究員 (00344036)

キーワードプログラム細胞死 / 液胞 / ヒャクニチソウ / シロイヌナズナ / 管状要素 / 細胞核 / 遺伝子発現 / サイレンシング
研究概要

維管束植物の道管・仮道管を構成する管状要素は、その分化過程で液胞の崩壊によって引き金がひかれるプログラム細胞死を起こす。この液胞崩壊の機構を解明することが、植物のプログラム細胞死を理解する上で鍵になることから、本年度からヒャクニチソウ管状要素分化系とシロイヌナズナ植物体を用いて以下の実験に取り組んでいる。
まず管状要素の液胞は、二次壁肥厚開始と同時にABCトランスポーターが輸送するはずの蛍光プローブを取り込めなくなり、ABCトランスポーターの機能阻害剤が管状要素液胞崩壊を特異的に促進することがこれまでにわかっているので、このABCトランスポーターのうちのシロイヌナズナ維管束細胞の液胞で発現する分子の遺伝子をクローニングし、それをヒャクニチソウ管状要素細胞に強制発現させようと試みたが、サイレンシングが起きてしまうことがわかったため、現在サイレンシングを抑制できるタンパク質を組み込んだ新たなベクター系を開発している。
また、所属研究室が保有するヒャクニチソウESTの発現解析データから細胞死過程で管状要素に一過的に発現する脂質分解酵素遺伝子の候補があることがわかったため、これが液胞膜脂質の分解にかかわっている可能性があると考え、そのシロイヌナズナホモログの全長cDNAのクローニング、シロイヌナズナ植物体内における詳細な発現部位の特定、細胞内局在の決定、植物体内での強制発現・発現抑制実験、遺伝子破壊株の解析などを行った。その結果、この酵素タンパク質は管状要素以外にも根冠側部や葯の開裂部分の細胞など、他のプログラム細胞死を起こす細胞でも発現するが、細胞核に局在し、単純な強制発現だけでは細胞死を誘発できないことがわかった。動物細胞のプログラム細胞死にかかわるタンパク質でよく観察される局在場所の移動が細胞死の誘導に関連しているかもしれないと考え、さらに詳細な解析を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hideo Kuriyama, Hiroo Fukuda: "Development Programmed Cell Death in Plants"Current Opinion in Plant Biology. 5(6). 568-573 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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