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2003 年度 実績報告書

熱水性短尾類の系統解析と種分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14740476
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

土田 真二  独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋生態・環境研究部, 研究員 (30344295)

キーワードユノハナガニ / 熱水噴出孔生物群集 / 系統樹 / 遺伝的変異 / 短尾類 / COI遺伝子 / 生物地理 / 種分化
研究概要

ユノハナガニ科は、深海の熱水域にのみ生息する特異な短尾類であるにも関わらず、その種分化や系統関係についてはほとんど知られていない。本研究では、太平洋〜インド洋〜大西洋に分布するユノハナガニの遺伝的変異に関する知見から、その地理的分布と系統関係を明らかにすることを目的としている。また、他の短尾類とも比較し、不明であったユノハナガニ科の系統的な位置についても明らかにする。
これまでのところ、2属5種のユノハナガニ科短尾類の遺伝的変異明らかにするとともに、他科のカニ類とも比較検討した。COI遺伝子約660bpを分析したところ、ユノハナガニ類は単系統群を形成し、比較した他科のカニ類とは遺伝的に大きく異なっていた。また、Austinograea属、Segonzacia属とも単系統群を形成し、それぞれの種も同様に単系統であったが、種内での地域変異は明らかではなかった。種間でみるとA.alayseaeとA.williamsiは、5種の中ではもっとも近縁であった。次いで、地理的距離が直線で7000km以上も離れているA.rodriguezensisが近縁であった。A.yunohanaとA.williamsiの分布域は400km程度しか離れていないにも関わらず、Austinograea属の中ではもっとも遺伝的に離れていた。他科のカニ類と比較してみると、得られた系統樹は形態分類学で従来示唆されているものと異なる結果となった。この結果、近縁な種間での比較には、上記の遺伝子座は有効であるが、大きな分類群における系統関係は反映されない可能性が示唆された。平成16年度は、16SrDNAなども分析し、より精度の高い系統樹の作成を試みる。また、平成16年10月には、すでに新種の情報がある南西太平洋ニュージーランド沖の調査も行い、ユノハナガニの生物地理、伝播経路の考察を行う。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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