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2002 年度 実績報告書

原料交互供給法によるZnOの原子層エピタキシャル成長と伝導型制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750013
研究機関愛媛大学

研究代表者

寺迫 智昭  愛媛大学, 工学部, 助手 (70294783)

キーワード酸化亜鉛 / 大気圧科学気相成長法 / 交互供給法 / 原子層エピタキシャル成長 / 自己組織化
研究概要

本年度は当該研究を遂行するのに必要な大気圧化学気相成長装置を作製し、塩化亜鉛(ZnCl_2)とエタノール(C_2H_5OH)もしくは水(H_2O)の同時供給下で基板温度およびO原料とZn原料の供給比(VI/II)をパラメータにして酸化亜鉛(ZnO)の成長を行った。その結果、ZnCl_2-C_2H_5OH原料系、ZnCl_2-H_2O原料系ともにZnOが成長可能であることが明らかになった。
ZnCl_2-C_2H_5OH系を用いて、ZnOとの格子不整合の小さいa面サファイア基板上に成長を行った場合、基板に対して垂直に成長した六角柱の柱状構造が観察された。基板温度の低下に対して、柱状構造のサイズは小さくなり、逆に密度が上昇するという傾向が見られた。基板温度とVI/II比を最適化することで比較的平坦なZnO成長層(2時間成長で8μm)が得られ、この試料のPLスペクトルでは強い自由励起子発光が観察された。
成長時間依存性の検討から、成長開始直後はフラットな平面上に三次元的な島が形成され(Stranski-Krastanov型)、その島を成長核にらせん転位を経て先に述べた柱状構造が成長していく過程が見られた。
本研究の主題とは若干外れるが、ZnCl_2-H_2O原料系で成長を行った場合、成長条件によっては、サブミクロンサイズの微粒子からなる集合体の堆積や中空の柱状構造の成長といった興味深い結果も得られた。ZnCl_2を原料とするCVD法によるナノベルト構造も報告されていることを考慮すると、自己組織化によるZnOの形態制御も期待される。
現在、成長装置のキャリアガス用配管に空圧弁および電磁弁を取り付け、これを外部からコンピュータ制御可能にし、ZnCl_2とC_2H_5OHを時間的に分離して交互に基板上に供給する(原料交互供給法)ことで原子層エピタキシャル成長を試みている。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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