• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

分子メスを用いた表面吸着分子の構造変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750020
研究機関静岡大学

研究代表者

下村 勝  静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (20292279)

キーワードチオフェン / ピロール / ピラジン / 表面構造 / 表面ダイナミクス / シリコン / 光電子回折
研究概要

分子メスによって結合を切断された分子が、その後どのような反応をするのかは非常に複雑な要素が絡んでおり、理論的に推測するのは容易ではない。そこで、本研究では実験的事実を積み重ねとして、次のような実験を行った。まず、清浄なSi(001)2×1表面上にヘテロ環状有機分子、チオフェン(C_4H_4S),ピラジン(C_4H_4N_2),ピロール(C_4H_5N)を飽和吸着させた後、シンクロトロン放射光を用いた光電子回折により、分子の吸着構造について詳しく調べた。この結果、チオフェンの場合、硫黄の吸着状態には2種類の異なる状態が存在することがわかった。1つは2,5-dihydrothiophene(DHT)-likeな構造であり、もう一方は分子が分解することによって生じた硫黄であると考えらる。さらに、シンクロトロン放射光を照射し続けることによって、後者が増加することを見出した。この結果は、Appl.Surf.Sci.誌に掲載された。窒素を2つ含んだピラジンの場合、その吸着構造について、複数のモデルが提案されており、その詳細は不明であった。本研究による構造解析の結果、ピラジンは2つのダイマー列間に入り込み、2つのSi-N結合による吸着を行うことが分かった。そこで、新たな吸着モデルを提案した。さらに、Si表面への分子吸着系としては初めて、分子の1次元鎖が形成されることを見出した。本研究結果は、Phys.Rev.B誌に投稿中である。ピロールについては現在光電子回折の解析中であるが、少なくともこれまでに報告されているモデルでは完全に実験事実を説明できないことまでは分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Adsorption of thiophene on a Si(001)-2×1 surface studied by photoelectron spectroscopy and diffraction2004

    • 著者名/発表者名
      M.Shimomura, et al.
    • 雑誌名

      Appl.Surf.Sci. 237

      ページ: 75-79

  • [雑誌論文] Surface structure of phosphorus-terminated GaP(001)-(2x1)2004

    • 著者名/発表者名
      N.Kadotani, M.Shimomura et al.
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B 70

      ページ: 165323

  • [雑誌論文] Structural study of 1,4-cyclohexadiene adsorption on Si(001) surface by low energy photoelectron diffraction2004

    • 著者名/発表者名
      5.R.Gunnella, M.Shimomura et al.
    • 雑誌名

      Surf.Sci. 566-568

      ページ: 618-623

  • [雑誌論文] Structural study of benzene adsorbed on Si(001) surface by photoelectron diffraction2003

    • 著者名/発表者名
      M.Shimomura et al.
    • 雑誌名

      Surf.Rev.Lett. 10

      ページ: 499-503

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi