研究概要 |
並列2次元面発光レーザーアレイ用並列光接続ホログラフィック光学素子を実現するために,前年度までに計算機支援ホログラム設計ツールの機能拡張を行い,この機能拡張したツールを用いて目標とするホログラフィック光学素子を設計した.今年度は,設計素子を試作し,試作素子の実験的評価を行い機能拡張した計算機支援ホログラム設計ツールと試作素子の有効性を確認した. 設計したホログラフィック光学素子を試作した.この素子の記録には波長532nmのレーザー用いた.並列2次元面発光レーザーアレイとホログラフィック光学素子の間隔を3.40cm,この光学素子と結像面までの距離を10cm,回折角度を45°とした.物体光として点光源を45°の角度から,10cmの距離から発散する球面波を用い,参照光としてこの光学素子に垂直に3.4cm離れたところに収歛する球面波を用いた.8×8のレーザー要素をもつ並列2次元面発光レーザーアレイ(波長850nm)を用いた.まず,非最適設計の例として,記録と再生で波長の変化を考慮しない場合は記録された光学素子の並列光接続実験を行い,2次元画像データが伝送されないことを実験的に確認した.次に,試作素子によりこの面発光レーザーアレイの並列光接続実験を行い,収差が小さく高回折効率の2次元画像データの伝送能力を確認した. また,超高性能並列光接続装置にホログラフィック光学素手を利用することを目指し,フェムト秒で光パレスを発する場合を解析するのに必要な機能を計算機支援ホログラム設計ツールに対して拡張した.フェムト秒レーザーパルスのように,スペクトル帯域を持つ光で再生する場合についてホログラフィック光学素子の再生・結像特性を解析できる機能を実装した. 以上,のことより提案した並列2次元面発光レーザーアレイ用並列光接続ホログラフィック光学素子の設計,試作,実験的評価を行い,提案素子の有効性を確認した.
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