研究概要 |
本研究の目的は,フェムト秒レーザーパルスの非線形光学効果を利用して,透明固体材料内部に書き換え可能な暗号化4次元光メモリを開発する光マイクロ・ナノ加工に関連する技術を確立することである.本年度は,(1)フェムト秒レーザー光パルスによるバブル形成のメカニズムの解明,(2)書き換え可能3次元光メモリの作製,(3)ナノ・マイクロバブルの発生と移動の時間分解計測を行う予定であった.本年度に得られた成果は下記のとおりである. 集光ビームプロファイルによるボイドの形状制御 フェムト秒レーザーパルスのビーム形状を制御することにより,ボイドの形状が変化することを見出した。 2次元ボイドアレイの偏光依存性 また,2次元ボイドアレイを書き込み,その回折光強度が読み出し光の偏光方向に依存することを見出した。 ボイドの3次元移動 フェムト秒レーザーパルスの集光照射により,ガラス内部及びフッ化カルシウム結晶内部でボイドが移動する現象を見出した.また,ボイドを光軸に垂直に移動させることにも成功した.論文誌Optics Expressに掲載された. レンズの作製 シリカガラス内部にボイドを配列した輪帯を作製することにより,大きさ400ミクロンのフレネルレンズを作製した.He-Neレーザー光を入射し,集光スポット径は理論と同程度の7ミクロンであった.また回折効率は約2%であった. 時間領域差分法による光の伝播解析 ガラス内部に埋め込まれたボイド構造中の伝播解析を時間領域差分法により解析した.
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