研究概要 |
次世代半導体リソグラフィー用光源(13.5nm)への適用を視野に入れ,希ガスを冷却固化したターゲットを用い,レーザー生成プラズマを用いた極端紫外線,軟X線領域での光源に関する研究を行っている. ターゲットは,希ガス(Xe, Kr)を超低温(50K以下)で冷却したクライオターゲットを用いた.照射するレーザーは波長532nm,最大エネルギー800mJ/pulse,パルス幅8ns(FWHM),10HzのQスイッチNd : YAGレーザーであり,ターゲットに集光照射することによりプラズマを生成した.クライオターゲットを用いて放射される極端紫外線の出力エネルギーおよびレーザー光から極端紫外光への変換効率を観測した.極端紫外光のエネルギー計測には,較正されたX線フォトダイオードを用いた. 実験では,極端紫外線の波長スペクトルの観測,出力エネルギー,放射持続時間,放射空間分布等を観測した.極端紫外線のパルス幅は6ns程度であり,レーザーのパルス幅と同程度であった.再結合によりプラズマから放射される可視光の発光の半値幅は50nsであった.立体角Ω【approximately equal】9.5×10^<-5>srで極端紫外光のエネルギーは10nJ/pulseであった.また放射の空間分布を考慮した変換効率は0.2%であった. キセノンのクライオターゲットからのイオン電流の空間分布も観測した.イオン電流はファラデーカップにより観測した.イオン電流はcos^5θの分布であることが観測された.イオンの平均速度は5×10^6cm/sであった.また,シリコン基板をターゲット法線方向から15度に配置し,デブリのシリコン基板への損傷を観測した.デブリのサイズは1μm以下であった.これは,プラズマ化されなかったクライオターゲットが飛散し,基板に損傷を与えたと考えている. 現在,液体ジェット生成システムを構築しており,次年度はクライオターゲットとの比較を行う予定である.
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