本年度は、昨年度のテーパー型ライトガイドの製作に引き続き、ストレート型のライトガイドの製作を行った。大きさは一辺が50mmの立方体である。現在は、小型イメージ・インテンシファイヤーを使用しているが、将来、大型のものの使用が可能になったときに、このストレート型を使用することができる。また、シンチレーション・ファイバー・カメラの最終デザインに基く3次元タイプのシンチレーション・ファイパー・スタックを別に製作した。昨年製作した2次元タイプのスタック、もしくは最終デザインのスタックとイメージガイドとの組み合わせにより宇宙線やγ線を使用したシステム全体としての基礎テストを行うことができ、最小電離粒子の検出をはじめ、シンチレーション・ファイバー以外の部分でファイバーの径(250μm)以下の位置分解能を得られたことなど、十分に要求される性能を満足する基礎特性を得ることができた。 また、本研究と関連し、荷電粒子線量計測に関する研究については、宇宙放射線線量実時間線量計測装置(RRMD-III)を用いた実験において、低エネルギーの陽子に対する応答を調べた結果、高エネルギー重イオン成分のみならず、低エネルギー粒子に対してもデータが信頼できることを加速器実験により確認した。得られたデータは今後、中性子計測に関しても有用となり得る。また、CERNのCERF施設を利用した、TEPC、DOSTELとの線量データ比較実験を行い、スペース・シャトル搭載実験と同様の結果を得、論文にまとめた。
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