本年度は、級数の加速法における連続拡張の一般化と連続Euler変換の改良およびその応用を研究目的とした。 まず、級数の加速法における連続拡張の一般化については、加速する対象の積分の性質がある程度具体的にわかっている場合に、適切な重み関数を見つけ出すことで多くの連続版の加速法が形式上作れることを明らかにした。今後、この事実を踏まえて連続Euler変換の一般化および改良を行い、いくつかの実用的な積分の加速に対する高性能な連続変換を導く予定である。 一方、連続Euler変換の応用に関しては、二重指数関数(DE)公式との組み合わせが効果的である。そのためにまず、DE公式自体の改良を試みた。この改良はDE公式の収束判定を改善するものであり、多くの積分計算が必要な状況で数値計算の信頼性を向上させ、かつ従来よりも2割から3割程度の計算量の節約を可能にすることに成功した。
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