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2002 年度 実績報告書

原子クラスター構造体の形態・機能・強度の計算機援用評価

研究課題

研究課題/領域番号 14750063
研究機関関西大学

研究代表者

齋藤 賢一  関西大学, 工学部, 専任講師 (90294032)

キーワード分子動力学 / クラスター / 散逸粒子動力学(DPD) / 材料強度 / ナノ構造 / 銅 / 界面 / 計算力学
研究概要

第一年度である本年度,実行した詳細テーマは以下の通りである.それぞれに対して,対外的な研究発表を行なっている.
(1)原子クラスター間に生じる界面および欠陥の構造と挙動の評価
(2)原子クラスターから構成される構造体の強度評価
(3)散逸粒子動力学(DPD)法による原子クラスター挙動の解析
(1)では,構成原子の古典力学的運動を追跡することができる,分子動力学(MD)法を用いて,2つの銅原子クラスターが衝突・合体したときにその境目(粒界もしくは界面となる)の原子構造と格子欠陥構造を確認した.クラスターのサイズ依存性が大きいこと,また結晶方位差の影響が大きいこと,が確認された.
(本報告書項目11,雑誌論文の1番目と2番目)
(2)では,やはりMD法により,計算機上に人工的な配列の銅原子クラスター構造体を作成し引張試験を行ない,破壊に至らせ,強度を評価した.構造化の過程で内部にボイドが残る場合,また単独クラスターのときの名残である表面の凹凸が強い場合,脆性破壊を示した.逆にちゆう密構造ができる場合には,超塑性範囲に至る強い延性を示した.
(本報告書項目11,雑誌論文の4番目と5番目)
(3)では,マイクロメートルサイズ構造体の解析に必要となる,MD法を包括する計算手法を提案した.これは,散逸粒子動力学(DPD)法というものである.これで,PCレベルでも原子数にして683万個の計算が容易に行なえた.本年度は銅原子クラスターについて,まずMD法とDPD法のハイブリット化を進めた.
(本報告書項目11,雑誌論文の3番目と6番目)
総括して,一年間の研究活動の結果,原子クラスター構造体の形態・機能・強度について未理解の部分の多くを明らかにしている.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ken-ichi Saitoh: "Molecular Dynamics Study on Interface Generated between Atomic Clusters"Engineering Plasticity and Its Applications (Key Engineering Materials, Trans Tech Publications). Vols.233-236. 591-596 (2003)

  • [文献書誌] 齋藤賢一: "金属原子クラスター間に生じる粒界の分子動力学シミュレーション"日本材料学会第7回分子動力学シンポジウム講演論文集. 60-65 (2002)

  • [文献書誌] 齋藤賢一: "多重解像度分子動力学法による金属ナノクラスター焼結体の評価"日本機械学会講演論文集. No.02-5. 67-68 (2002)

  • [文献書誌] 齋藤賢一, 長瀬修一, 新家昇: "原子クラスター構造体の形態と強度の分子動力学による考察"日本機械学会講演論文集. No.02-2. 179-180 (2002)

  • [文献書誌] 齋藤賢一, 新家昇: "原子クラスター構造体における格子欠陥挙動のサイズ依存性"日本機械学会講演論文集. No.034-1. 7-21-7-22 (2003)

  • [文献書誌] 齋藤賢一, 岡崎新太郎, 安養友彦, 新家昇: "Dissipative Particle Dynamicsを用いた原子クラスターの挙動解析"日本機械学会講演論文集. No.034-1. 7-19-7-20 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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