研究概要 |
第二年度である本年度,昨年度の結果を踏まえて実行した詳細テーマは以下の通りである.それぞれに対して,対外的な研究発表を行なっている. (1)原子クラスターから構成される構造体の強度評価 (2)SPH法による固体材料強度の解析 (1)では,分子動力学法を用いて,原子クラスターを組み合わせて様々な構造ができることを確認し,その引張変形および破壊の過程を予測できる可能性を示唆した.ナノ材料としての強度を考察するための方法論を提案することに至っている.また,これらの構造の強度を支配する各種因子について調べ,様々な知見を得ている. (本報告書項目11,雑誌論文の1-4番目と6番目) (2)では,先年度の散逸粒子動力学(DPD)法による検討と関連させて,さらに空間スケールを大きくできるSPH(smoothed particle hydrodynamics:平滑化粒子流体力学)法の解析をスタートした.本年度は界面強度についての考察を行っており,現在進行中である.これは分子動力学法の解析スケールアップを目的とした研究であり,本研究課題をさらに発展させる可能性がある. (本報告書項目11,雑誌論文の5番目) 総括して,昨年度の成果を基礎として,さらなる一年間の研究活動の結果,原子クラスター構造体の形態・機能・強度について未理解の部分の多くを明らかにしている.
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