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2003 年度 実績報告書

生体骨組織を誘起する生体融和チタン合金の創成と生体適合性

研究課題

研究課題/領域番号 14750074
研究機関上智大学

研究代表者

久森 紀之  上智大学, 理工学部, 助手 (80317510)

キーワード生体材料 / チタン合金 / 生体組織 / 生体融和 / 生体適合性
研究概要

本研究では,骨を実際に構成している生体活性なアパタイトを生体内での荷重負荷(リモデリング効果)を利用した応力誘起により生体骨組織をチタン合金表面に創成する生体融和チタン合金を提案すべく本研究を遂行した.すなわち,アルカリ溶液で化学処理を施したチタン合金を体内に埋めると体液と反応し,その表面に骨の無機質に類似したアパタイト層を形成し,骨から生体融和チタン合金へ傾斜構造で変化させ骨結合を強化する手法を提案するものである.
本年度においては,1)in vivo骨類似析出環境において,繰返し荷重負荷および4連式方持ち梁試験機を用い,負荷を加える応力誘起効果を利用したアパタイトの析出効果を検討した.2)アパタイトの析出効果を応力振幅(Hz)および繰返し荷重をパラメータとして検討した.3)傾斜構造で骨類似組織を有する界面(接着)強度について,その評価法の提案および評価をin vivo/in vitroにて実施した.
結果として,
1)回転(流れ)作用のある環境では,荷重の有無に関わらず回転速度の上昇と共に析出アパタイトの溶解が促進される.
2)荷重を加えることで生じるひずみの影響により,アパタイトのはく離が生じるが,残存するアパタイトは成長する.
3)界面(接着)強度評価方法として,荷重-変位曲線を分離することで骨との密着状態を詳細に解析できることが示された.
4)in vivoにおける密着強度および密着エネルギーは,インプラント期間の増加に伴い向上を示した.
これら検討から,骨結合機能を生体液との化学反応および力学を加えたハイブリッド効果でその表面に骨類似アパタイトを析出させ,その析出挙動をin vivo/in vitroで総合的に評価する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 久森紀之: "アルカリ処理による骨類似アパタイトコーティングチタン合金の微細構造と破壊特性の向上"材料. 53・1. 101-107 (2004)

  • [文献書誌] 久森紀之: "生体材料の強度と疲労"日本材料学会疲労部門委員会疲労部門委員会創設50周年記念公開部門委員会研究討論会資料. 46-58 (2003)

  • [文献書誌] 梅田悟司: "骨誘起チタン合金の骨界面強度評価法の提案"第25回日本バイオマテリアル学会大会予稿集. 146 (2003)

  • [文献書誌] 草薙幸敬: "アルカリ処理を施したTi-6Al-4V合金の擬似生体環境中における疲労特性の評価"第25回日本バイオマテリアル学会大会予稿集. 311 (2003)

  • [文献書誌] 久森紀之: "荷重下におけるチタン合金のアパタイト形成能評価"日本金属学会2003年秋期大会講演概要集. 159 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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