研究概要 |
本研究は,部品やモジュール単位に記録された個体情報を分解・組立作業のFAや作業支援に利用することを目的として,(1)機械部品に装着できる記録素子の検討,(2)記録情報を利用した分解・組立支援システムの開発,(3)作業支援の効率の評価実験を行うものである.この中で記録素子の検討ならびに作業支援システム開発を本年度に行った. まず,RFID素子を機械部品に装着した際の読み取りの可能性を検討した.機械部品には,プラスチック製のものから金属製のものまで含むので,それらの材料の影響,また形状や大きさの影響を考慮する必要がある.今回は,代表的な素材である,ゴム,鋼,アルミニウムの3種類を選び,市販の金属対応型RFID素子と読取装置を用いて,読み取りができる距離に及ぼす影響を測定した.ここでは,電波に影響を及ぼさない環境においておよそ5〜10mm程度で読み取りができるRFIDシステムを用いた.RFID素子をそれぞれ,ゴム板上,鋼板上,アルミ板上,および,鋼板に5mm厚のアクリル板を挟んで載せた場合の4タイプにおいて,それぞれの素材の影響を評価した.実験の結果に基づいて,RFID素子の設置方法の指針を得た. 次に,RFID素子から読み取った情報を用いて作業支援に利用するシステムを開発した.作業支援への利用にはRFIDシステムの小型化,コンピュータとの統合が不可欠である.そこで,10mm角四方程度の超小型アンテナを用いた市販のRFIDシステムを採用し,これをコンピュータによって読み取り,書き込みができるようにするソフトウェアを作成した.
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