研究概要 |
本研究では,圧電アクチュエータ・センサを用いたスマートストラクチャとしての複合材翼構造のフラッタ抑制のための有効な制御則設計法の構築を行うことを目的とした.本研究により得られた主要な成果は以下の通りである. 1.積層パラメータを用いた実数型遺伝的アルゴリズムによる複合材板翼の板厚分布・積層構成最適化手法を提案し,空力弾性テーラリングの有効性を検証した.また,得られた最適積層構成は主に2種類の繊維角を用いて表すことができ,最適構造が複数のフラッタモードが設計臨界速度において同時にクリティカルとなる特性を有することを示した(論文1). 2.最小状態法により時間領域で記述された線形揚力面理論に基づく非定常空気力を用い,圧電アクチュエータ・センサを組み込んだ複合材スマート翼構造の空力弾性応答解析を行うためのプログラムを作成し,その解析精度を検証した. 3.複合材板翼に貼付したPVDFフィルムを用いてモードセンサを構築し,モードセンサにより空力弾性応答を精度良く計測できることを数値計算例を通して検証した. 4.圧電アクチュエータを貼付した複合材板翼のフラッタ抑制に関して,モードセンサの適用を前提としたモード座標系での最適出力フィードバック制御の有効性が検証されつつある.
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