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2002 年度 実績報告書

真空中静電浮上および浮上体の駆動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750155
研究機関東京大学

研究代表者

新野 俊樹  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70291929)

キーワード静電気 / 静電力 / 真空 / 潤滑 / 非接触 / 搬送 / 浮上
研究概要

半導体,ナノテクノロジー,材料開発の研究分野では,微細構造の加工・観察が重要であり,高真空環境が要求される.また,将来,製造ラインへ導入することを想定した場合,高真空環境下での高速,高精度位置決め,搬送などの操作が必要になると予想される.一方,高真空中では,摩擦力の増大,磨耗による塵埃の発生などの問題があり,既存のメカトロニクスでは対応が難しい.この問題を解決するには,静電吸引力を利用した非磁性の浮上,静電浮上が有効である.そこで,静電浮上の駆動・搬送装置への応用を最終目的に基礎研究をおこなった.実験装置として,水平面内の1軸に非拘束な自由度を有する浮上を実現する静電浮上レールを用いた.静電浮上には高電圧による高速制御が必要であり,高価な高出力高速増幅器が必要である.まず,高速増幅器出力電圧範囲の低減をおこなった.低減方法として,3種類の方法を試した.(1)安価な定電圧電源と高速増幅器を組み合わせ,電圧を重畳させることで,高速増幅器出力電圧範囲を低減する.このことにより,電極より200μm離れた位置での浮上体の浮上時における高速増幅器出力範囲は2.1kVから0.9kVに低減された.(2)ランプ入力をギャップ指令に用い,浮上体を初期ギャップから目標ギャップまで徐々に(1μm/s)浮上させる.また,定電圧電源は低速であれば,電圧制御ができるため,指令ギャップの変化と共に,出力を変化させる.このことにより出力範囲は0.6kVに低減された.(3)高出力高速増幅器を用いない方法として,交流を用いて浮上させ,浮上に成功した.次に,誘導電荷形静電モータにより浮上体が駆動するか確かめるため,静電浮上レールと静電モータとを組み合わせ,浮上体の駆動に成功した.これらのことにより,静電浮上レールを用いた装置における経済面の改善,駆動可能性の検証ができ,駆動・搬送装置への応用可能性が増した.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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