1.実験装置の製作 円筒型液体タンクを任意点で任意方向に自由に傾斜させることができる6自由度アクティブ吸振器を製作する前段階として、進行方向と横方向に液体タンクを独立に傾斜させることのできる2自由度アクティブ吸振器を製作した。液面振動は、前方壁と側壁に取り付けたレーザ変位センサにより観測する。この装置を用いた搬送制御実験により、スロッシングを制振させる有効な動作を解析した。その結果、タンクの回転軸と液面が離れている程、大きな制振効果が得られることが判明した。この知見を生かし、6自由度アクティブ吸振器を設計することにする。 2.コンピュータシミュレーション 6自由度アクティブ吸振器を設計する際に、その可動範囲や特異姿勢等を解析する必要があり、その解析を行うためにコンピュータシミュレーションを行う必要がある。コンピュータ上にアクティブ吸振器のモデルを構築し、寸法や形状の差異が動作にどのような影響を与えるかを解析できるシステムを構築した。さらに、スロッシングモデルを組み込むことにより、アクティブ吸振器の動作によって液面がどのように振動するかも分かり、制御系を設計する際の有益な情報となる。 3.スロッシングモデルの構築 円筒タンク内の液面振動を球面振子を用いて表現するスロッシングモデルを構築した。これは、振動する球面振子に垂直に取り付けた平面により液面を近似するものである。このモデルはアクティブ吸振器の制御系設計に用いる。モデルの各パラメータは製作する6自由度アクティブ吸振器付き自律型搬送車の搬送実験結果から同定する。
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